近年、多くの投資家がS&P500やオルカン(オール・カントリー)といったインデックスファンドに投資を行っています。しかし、「今は割高なのか?それとも割安なのか?」と疑問に思うことはありませんか?
本記事では、PBR・PER・益利回り・リスクプレミアムといった代表的な指標を用いて、「インデックス投資で割高・割安を判断すべきか?」について詳しく解説していきます!
【目次】
- 割高・割安とは?
- 割高・割安を判断する代表的な指標
- 割高・割安を気にすることでリターンは向上するのか?
- まとめ:インデックス投資で割高・割安は気にすべき?
1. 割高・割安とは?
株式投資では、一般的に「安いときに買い、高いときに売る」ことで利益を得ることができます。そのため、多くの投資家が**「今の株価は割高なのか?割安なのか?」**を知りたがります。
この判断を行うために、よく使われる指標がPBR(株価純資産倍率)、PER(株価収益率)、益利回り、リスクプレミアムなどです。
では、これらの指標は本当に有効なのでしょうか?次の章で詳しく解説していきます。
2. 割高・割安を判断する代表的な指標
① PBR(株価純資産倍率)
PBRは、株価を1株あたりの純資産額(BPS)で割った値です。
- PBRが高い → 株価が純資産に対して高い=割高
- PBRが低い → 株価が純資産に対して低い=割安
PBRとS&P500の関係
2004年からのデータを見ると、株価が下がればPBRも下がることがわかります。
現在のPBRは過去と比較すると高めであり、S&P500はやや割高な水準にあることがわかります。
② PER(株価収益率)
PERは、株価を1株あたりの純利益(EPS)で割った値です。
- PERが高い → 株価が利益に対して高い=割高
- PERが低い → 株価が利益に対して低い=割安
現在のPER水準
2024年のデータでは、S&P500のPERは約22倍となっています。
例えば、テスラのPERは現在116倍と非常に高く、割高な水準と判断できます。
③ 益利回り(PERの逆数)
益利回りとは、1株あたりの純利益(EPS)を株価で割った値です。
計算式は 1 ÷ PER で求められます。
- 益利回りが高い → 株価が割安
- 益利回りが低い → 株価が割高
益利回りの使い方
益利回りは、債券の利回りとの比較によく使われます。例えば、
- 債券の利回りが4%、株の益利回りが5%なら「株の方が有利」
- 債券の利回りが5%、株の益利回りが4%なら「債券の方が有利」
現在のS&P500の益利回りは約**4.5%**であり、比較的低めの水準です。
④ リスクプレミアム
リスクプレミアムは、株式の益利回りからリスクフリーレート(国債金利)を引いた値です。
- リスクプレミアムが高い → 株が割安(投資家は悲観的)
- リスクプレミアムが低い → 株が割高(投資家は楽観的)
現在のリスクプレミアムは約**0.5%**と低く、市場は楽観的であることが示唆されます。
3. 割高・割安を気にすることでリターンは向上するのか?
過去20年間(2004年~2024年)のデータをもとに、「割安なときに買う」「割高なときは避ける」という戦略が本当に有効なのかを検証しました。
✅ 結論:割安なときに買うのは有効!
データを分析すると、
**「割安なタイミングで投資すると、その後のリターンが高くなる傾向がある」**ことが確認できました。
特に、PBR・PER・リスクプレミアムのデータをもとにすると、
割安なときに投資した場合、1~3ヶ月後の平均リターンはプラスになる確率が高いことが示されています。
❌ ただし、「割高=下落」とは限らない!
一方で、「割高だから投資を避ける」という戦略は必ずしも有効ではないことがわかりました。
例えば、S&P500の過去データでは、
割高でも株価が上昇し続けるケースが多かったのです。
これは、
- 株式市場が長期的に成長する傾向にある
- 割高でも企業の利益成長が続けば、株価は上昇する
といった背景があるためです。
4. まとめ:インデックス投資で割高・割安は気にすべき?
✅ 「割安のときに買う」戦略は有効!
- 割安局面では、その後のリターンが高くなる傾向がある
❌ 「割高だから買わない」は間違い!
- 割高でも株価は上昇することが多い
📌 結論:インデックス投資では、短期的な割高・割安はあまり気にしなくてよい!
株式市場は長期的に成長するため、短期の値動きに振り回されずに、淡々と積立投資を続けることが最も合理的な戦略と言えます。
S&P500やオルカンに長期投資するなら、ドルコスト平均法で積み立てを継続するのがベスト!
これからも市場に振り回されず、堅実に資産形成を進めていきましょう!