はじめに – なぜ今「金(ゴールド)」が注目されているのか?
こんにちは、投資家の皆さん!
今回は、今世界中で異常な動きを見せている「金(ゴールド)」市場について深掘りしていきます。
金は歴史的に**「安全資産」として認識されており、特に世界情勢が不安定になると価格が上昇する傾向にあります。
最近の金価格は急騰を続け、ついに2940ドルに到達しました。一部のアナリストは、2025年末までに3100ドルに達する可能性**を指摘しています。
では、なぜ今金がここまで注目されているのか?
この異常な価格上昇の背後には、ロンドン市場での金不足、各国の中央銀行による大量購入、地政学的リスクの拡大など、複数の要因が絡んでいます。
この記事では、金市場の現状と、今後の価格見通しについて詳しく解説していきます。
1. 直近の金市場の動向 – なぜ金価格が急騰しているのか?
1-1. 金価格の年初来チャート – 2940ドルへの急騰
まずは、2024年の年初来の金価格を見てみましょう。
期間 | 金価格(USD) | 変動率 |
---|---|---|
2024年1月 | 2640ドル | – |
2024年3月 | 2940ドル | +10.76% |
わずか3ヶ月で+10.76%の上昇を記録しています。
一方で、同時期のS&P500(米国の代表的な株式指数)は年初来-0.66%とマイナス圏です。
つまり、株式市場が低迷する中、投資家が「安全資産」として金を買い増していることがわかります。
1-2. 世界の金市場で発生している異常事態
最近の金市場では、需給のバランスが大きく崩れています。
- ニューヨーク市場 → 金の在庫が過去最高レベルに増加
- ロンドン市場 → 深刻な金不足が発生し、金の引き渡しに1ヶ月かかる
ロンドンは世界最大の金取引市場ですが、供給が逼迫し、中央銀行が他国から金を借りるよう要請する異例の事態となっています。
このような需給の不均衡が、金価格の上昇を加速させています。
2. 金価格高騰の背景 – 主要な要因を徹底分析
2-1. トランプ氏の関税政策
トランプ前大統領の貿易関税政策が、金市場の不均衡を引き起こしている要因の一つです。
- 関税の影響でドル安が進行
- 金の価値が相対的に上昇し、投資家の金需要が増加
ただし、米国は世界第5位の金生産国に過ぎず、鉄鋼やアルミのように関税の影響で国内生産が増えるわけではないため、金市場の供給は変わらず価格上昇が続いています。
2-2. BRICS諸国の金購入
もう一つの大きな要因は、BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)による金の大量購入です。
- 2023年、中国をはじめとする各国中央銀行が合計1,037トンの金を購入
- 中国単体で他国合計を上回る金を買い占め
- 米国債を減らし、代わりに金の保有量を増やす動き
中国は米ドル依存を減らすために金を買い続けている可能性があります。
2-3. FRB(米連邦準備制度)の利下げ見通し
現在、FRBは金利の据え置きを続けていますが、2025年後半には段階的な利下げが予想されています。
- 利下げが行われると、金利がつかない金の魅力が増す
- 中央銀行の金購入が続けば、供給が逼迫し、さらに価格が上昇する
3. 金価格は3100ドルに達するのか?
現在の市場環境を考えると、金価格が3100ドルに到達する可能性は十分にあります。
3-1. 主要要因
- 中央銀行の金購入 → 供給が逼迫し価格が上昇
- FRBの利下げ → 金の魅力が相対的に増す
- 地政学リスク(ウクライナ、台湾問題) → 投資家の安全資産志向が強まる
これらの要因を踏まえると、現在の金価格から7%程度の上昇余地があると見られています。
4. 金投資のリスクとデメリット
金投資にはリスクもあります。
4-1. 金価格の暴落リスク
「金はすでに高すぎる。ここから暴落するのでは?」
このような意見もありますが、金価格が下がるためには明確な要因が必要です。
- 地政学的なリスクの緩和
- 金の供給量が急増する(金鉱山の新発見など)
金価格が大幅に下落するのは 「世界が平和になったとき」 です。
4-2. トランプ政権の成功が金にとって最大のリスク
もしトランプ氏が大統領に返り咲き、中国経済が崩壊すればどうなるでしょうか?
- 米国一強の時代が到来
- 地政学リスクが縮小
- 金価格が暴落する可能性が高い
金価格の最大のリスクは、世界が安定することとも言えます。
5. 結論:金は少し持っておくべき
ここまでの話をまとめると、金投資は今後も魅力的な選択肢の一つです。
5-1. 余剰資金で金を少し持っておく
- 金はリスクヘッジ資産としての価値が高い
- 株式市場のボラティリティを抑える効果もある
- インフレや地政学リスクに対する防衛策になる
金の魅力は「有事の際の安全資産」であること。
投資ポートフォリオの一部に金ETFや現物金を組み入れるのは賢い選択かもしれません。